Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
うれしそうな顔も、しなかった。が、それだけの金がはいれば、それを磯五にたたきつけてやって、おせい様のほうをきれいにすまして、具足屋のほうも、急場をしのぐことができるのである。
若松屋惣七は、願ってもみたことのない転換が、紙一まいのところで降ってきたので、気をおちつけて、しっかり物ごとを見ようとして、内心努力していたのかもしれない。秋の小川のような、刻こく色のかわる影のふかいものが、そうそうと音をたてて、仮面のような惣七の顔を流れた。
龍造寺主計が、いった。
「承知なさったと、見た」
「具足屋も当分は苦しゅうございますぞ」
「苦しみましょう」
「今までの半金を出していただければ、こちらを済まして、なおあまりある。具足屋も、当座息がつけます」
「わたしは、さっそく掛川へ出向いてみたい」
「それはまた急なことで」
「おせい様と磯五は、いつ金をよこせといってきているのです」
「きょうあすにもという催促が、このところ、だいぶつづきました」
「早いほどよい。後刻、金をお渡し申そう」
若松屋惣七は、ぷすりとして、はじめて礼らしいことを述べた。
「いろいろ御厄介になります」
「何の」