Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お駒ちゃんは、縄のしっぽに火がついたように、めらめらめらとしゃべり立てて行くのだ。
「何だい、何といって頼んだか、まさかお忘れじゃあるまいね。都合のいいときばっかり頭を下げれば、それでいいというものじゃないよ」
口ではぽんぽんいうが、磯五を見上げるお駒ちゃんの眼は、大きくうるんでいるのだ。相手の顔に、ちょっとでも微笑の影がさし次第、すぐにも笑いかけて、この場をおさめようというところが、見えているのだ。
磯五は、そういうお駒ちゃんの眼を無視して、ますます威丈高になっていった。
「第一、おいらあその、おめえの衣裳からして気にくわねえ。それあ、まるで、何のことはない。茶屋女か河原もののこしれえじゃねえか」
「おや、これがかい」
お駒ちゃんは、あきれたように、じぶんの袖口をつんと引っぱって、左右の腕から、胸の前を、見まわし、見おろした。
「そうよ。もっと堅気につくってもらおうじゃないか。これは、れっきとした老舗なんだぜ」
「おや、そうかい。これが、れっきとした老舗なのかい。それは、それは、すまなかったねえ」
お駒ちゃんが、叫ぶように、そうゆがんだ声をあげたとき、するするとふすまがあいて、きょうはじめて住み込みに来た、お針頭のおしんという、三十二、三のちょいときれいな女が、はいって来た。