Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

何かわめき出しそうにするお駒ちゃんを、磯五は、いそいで部屋のそとへ押し出すようにした。

「お前は、気がたかぶっておる。部屋へ行って、やすみなさい」

そして、泣き声をもらすまいとしてくちびるをかんだお駒ちゃんが、廊下を立ち去って行くのを見すましてから、磯五は、むずかしい顔をして、おしんの待っている居間へ引っかえした。おしんは、あっけにとられて、磯五の顔を見あげていた。

磯五は、しずかにいった。

「妹のお駒なのだが、どうも逆上気味で困ります」

六

「はい。これは、いらっしゃい」磯五は、あらためて、おしんに挨拶をはじめた。

「なるほど、おしんだ。いやよくおぼえております。おしんという人が、お針頭に来てくれるということを聞いたときは、お前さんとは気がつかなかったが、こうして顔を見て、名乗られてみると、いかにもおしんさんだ。いやなに、高音のことで、いまちょっとごたごたがありましてな、お恥ずかしい次第だが、弱っております。何か気に入らんことがあって、高音が家を出たのです」

「まあ、道理で、久しぶりでお眼にかかったのに、高音さまが、旦那様のことをおっしゃらないので、妙だと思っておりましたが、そういうわけでございますか」