Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

十日や二十日は待つことに話しあいがついた。

ひとまず帰ることになって、おしんが、そのすんなりした粋なからだを立たせると、磯五は、ちらと、この女をやとったのは失敗ではなかったかという考えが、ひらめいた。それは、何もおしんというもののなかに自分の敵を見たわけではないが、ただ、何となく邪魔になりそうな気がしてきたのだ。

そのうちに、おしんが帰って行って、磯五は、砂のようなものの残っている重いこころのまま、気になるので、お駒の部屋となっている、土蔵の向こう側の小座敷へ行ってみた。

まん中の畳に、お駒ちゃんが袂を抱いてうつ伏していた。案のじょう、狂女のようになって、泣きじゃくっているのだ。それが、はいって来たのが磯五と知れると、お駒ちゃんはいっそうからだをもむようにして、おおびらに泣き声をあげはじめた。もうさっきのように怒っているのではないらしかった。ただ悲しんでいるふうだった。

「ほんとに、ほんとに、お前さんという人は、女房のあることなんか、今のいままで隠しときやがって――こんなになったあたしを、どうしてくれるつもりだい。おせい様からお金さえとれば、そしてそのために、あたしが妹の面をかぶっていれば、いずれ晴れて女房にして、この家に入れるからなんていったのは、いったい何の口だい。