Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
ことにこの久助というおやじは、見たところ一癖ありそうなやつだから、こうして探りを入れて、味方にしておく必要があると思った。はじめから主人同様といい渡しておけば、どんな勝手なことでもできて、都合がいいのだ。久助は、そういう磯五に頭を下げて、ともかく恐れ入ったようすだ。
「はい。伺っております。わっしこそ、よろしくお願い申してえのです」
久助は、どこから見ても、料理人の久助らしい人物なので、磯五は安心をした。かなりの年齢だが、がっしりしたからだつきで、江戸でよく見る、そういう職人らしい粋なおやじである。きれいに顔をそって、銀いろの髪を小さく結っている。
ちらと磯五を見た久助の眼に、何でえ、しゃらくせえ、といいたげな気持ちが走り過ぎたが、磯五は、すっかりいい気にたばこをふかしていて、気がつかなかった。ただ、おせい様は、日々の料理がやかましいので、本職の板場を入れたのだろうが、この久助という老人には、そういう職人にありがちな、庖丁一本で渡りあるいて来たといったところも見えないと思って、感心していた。
これなら、きっと長く勤まるだろう。いよいよ抱き込んでおかなければならないと思って、磯五は、お世辞をつかった。