Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
ますでございます」
「うるさいな」
「ほんとに、うるさくございます」
「が、まあ、会わんでよかった。今後も、あわぬがよいぞ」
「はい。掛川のほうから、何か飛脚でも参りましてございますか」
「おお参った。万事着々進んでおるようである。具足屋も、どうやら盛り返したらしい。すべて、かの龍造寺どののおかげじゃ」
「ほんとに――」
「いずれ、お前をつれて、掛川へ行ってみるつもりでおる」
「あの、掛川へ――」
一時に蒼くなったお高だ。お高はそこに行っている龍造寺主計のことを、思い出したのだ。お高が驚いたらしいので、龍造寺主計のお高に対する気もちを知らない若松屋惣七は、いっそうおどろいた。
「いやか」
「いいえ。旦那様とごいっしょでさえございましたら、高はどこへなりと、決していやだなどとは申しませんでございますが――」
「晴れて、旅でもしてみたいな」
「はい」
「わしは、近くひとりで、旅に出るかもしれぬ」
「あの、おひとりで」
「国平でも供につれようかの、眼の湯治に参るのじゃ」
お高が何かいい出しそうにすると、若松屋惣七は、うるさくなったらしく、気ぜわしく手を振った。
「あああっちへ行け。行け行けと申したら、早く行け」