Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「どなたでございますか」
それは、面長の上品な女であった。窓のそとに杖を突いて立っている若松屋惣七を見ると、愛嬌よくほほえんだ。
「歌子さまでございますか」
「おられますかな」
「おられますでございます」
若松屋惣七は、遠慮なく庭へ通って行った。女中は、家の中をいそぎ足に、その歌子という女へ知らせに行くようすだった。勝手を知っているので、まもなく若松屋惣七が奥庭の縁さきまで来ると、そこの座敷に、もう歌子が来て待っていた。
「こっちへお上がりなさいましよ」
「うむ。ここで結構だ」
若松屋惣七は、上がろうとはしないで、縁側に腰をかけた。
「いけませんよ。そこでは何ですから、どうぞお上がりくださいまし」
歌子は、三十五、六の武家風の女なのだ。愛くるしい顔だちだが、からだつきは頑丈で、肩や腕などまるまるとふとっているのだ。膚が陽に焼けていた。
旅心
一
歌子は、肩巾のひろい、色のあさ黒い女だ。せいが高くて、がっしりしている。鳶いろの眼と、ユウマアのみなぎった、人のいい顔をしてる。この年齢まで、独身を通してきた。長刀の名手なのだ。渋川流の柔もやる。馬も好きで、男のように肥馬にまたがって遠乗りに出たりする。