Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
そんな心配は致しません。でも、ずいぶんお気に入りのようですねえ」
「ふむ。まあ、気に入っておるな」
「奥様にあそばすお考えですか」
「そうもなるまい。そこが事情じゃ。ただあの心痛の多い女を残してわしひとり面白おかしく旅をする気になれんのだ。このごろは、誰しもちょっと江戸を離れて、田んぼ路でも歩いてみたくなる季節だからな。わしは、あれに相模の海を見せてやりたい」
「結構でございましょう。では、どういうことにいたしますか」
歌子は、さっぱりした女だ。若松屋惣七のお高に対するざっくばらんな愛を聞かされて、彼女自身ほがらかな気もちになりつつあるのだ。
若松屋惣七のいかめしい顔に、笑いがひろがった。
「都合がよければ、明晩ここへつれてまいる。お前とお高は、きっと仲のいい友達になるであろうと思う。わしが考えると、よく合うところがあるのだ」
「さようですか。それでは、わたくしも楽しみにしております。わたくしのほうは、いつおつれになっても構いませぬ」
「それとなく、龍口寺まいりのことを切り出してくれ。お高は、さびしがっているのだから、すこし厚意をみせてくれれば、すぐなつくことであろう。