Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

あの、妹さんとかいう女ごろつきはどうしましたか。教えてくださいよ」

「お駒ちゃんか。お駒ちゃんは店の用で京へ行っているのだ。おれがつれて行って、おれだけ一足先に、五日前に帰ったばかりよ。またすぐ行かなくちゃならねえのだ。高音、おめえお針のおしんに神田とかで会ったそうだが、おしんばかりじゃあねえ。誰にあっても、おれのことあいわねえようにしてもらいてえのだ。よけいなことをいうと、おめえのためにも、あの若松屋の盲野郎のためにもならねえのだから」

お高は、馬鹿ばかしいことをいうというように、黙って横を向いていた。何もいわずにいるときは、今でもどうかすると肉体的に惹かれる磯五であったが、そうやって愚にもつかないことをいい立てている女性的な彼には、多分の反撥と軽蔑を感ずるのだ。

お高はいまもそれを感じて、さっきの一時の動揺からすっかりさめていた。そして、磯五がそれに気がつかなくてよかったと思った。磯五は、まだ同じことをいっていた。

「おしんはいま、おれんとこへお針頭に住み込んでいるのだ」

「そうですか。それは結構でございますねえ」

磯五はそれから、若松屋惣七のことをきいたり、おせい様のことを話したりしながら、お高といっしょに道路のほうへ歩き出した。