Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「なんのさしつかえが――それは、それは、見得坊な、とんと締まりのない男でございました。それに、鬼のように情け知らずで――でも、よく頭のまわる、はしっこい男でございました。あんなのを、山師、とでもいうのでございましょうか。しじゅう、何かしら、大きな商売などをもくろんでいたりなどしまして、それをまた、不思議に、人さまが真に受けるのでございます。でも、心のしっかりしていない、弱い人でございました」
「家を出て、どこへ行ったのかな」
「はい、何でも風のたよりでは、京阪のほうへ、もうけ話をさがしにまいったとかいうことでございます」
「それは、きやつが、奥坊主の組頭をやめてからのことだな」
「さようでございます。やめまして、小普請お坊主として、からだが自由になるようになってから、まもなくのことでございました。わたくしがいやで、いやで、顔を見るのもいやじゃと、しじゅう口癖のように申しておりました」
「お前を、か。何と男冥利に尽きたやつじゃな」
「あら、でも、人はみな好きずきでございますから、そんなこと、とやこう申す筋あいではございません。それからわたくし、高音という名を高とあらためまして――」