Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
一空さまは、金剛寺へ出入りする棟梁に、和泉屋の本店はどこにあるのか調べてくれと頼んでおいたのが、けさ、その棟梁のもとから若い衆が返事の手紙を持って来て、神田鍛冶町二丁目の裏に当たる不動新道の和泉屋が総本家だと知れたので、これからそこへ出かけて行こうとしているところだ。
出かけて行って、どう切り出したらいいか。一空さまは、それを考えていた。が、それはそのときのことにしようと決心して、はだしに高下駄を突っかけて金剛寺の楼門を出た。微風が、お衣の袖にはらんで、一空さまは、爽々と歩いて行った。一空さまが、通新石町から馬鞍横町へ折れて、小柳町、鍋町東横丁と過ぎて不動新道へはいると、和泉屋の総本店はすぐ眼についた。
左側の大きな老舗だ。やはり日用の雑貨をひさぐ店なのだ。
一空さまは土間に立って、立ち働いている番頭手代を見まわした。そのうちのひとりに、ちょっと話したい用があるというと、それは伊之吉という大番頭であった。伊之吉は一空さまをじろじろ見たのち、急に愛想よく招じ上げて、店の裏の小座敷へ案内して行った。そこは、畳のじめじめする、うす暗い部屋だ。半間の床の間に、投げ入れた金雀枝がさしてあった。