Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
の寮というのへ駈けつけた。
この、飛脚が駈けつけて来るところをみつけたのが門口に立っていた磯屋五兵衛であった。
磯五は、ひとりで門ぎわに立って、考えていたのだ。考えながら、門と玄関のあいだをいったり来たりしていたのだ。夕方近かった。お高は、奥の八畳の間に床を敷いて寝かされて、おせい様が看病をしていた。
磯五はあれこれと思案すればするほど、いらいらしてたまらないのだ。何とかして早くおせい様から引き離して、江戸へ帰すようにするか、さもなければ――と、ここまで突きつめてくると、彼は、ただ、ぴくっと影のようなものにおびえるだけで、そこから先は、どうにも思案が進まないのだ。
そこへ飛脚が、一空さまからお高へあてた書面を持って来たので、磯五は、じぶんがお高のところへ持って行くといって、受け取った。そして、飛脚には、いくらかの銭を握らせて、これで、どこかそこらで一ぱいやって休んで行くようにと追い帰した。
磯五は、その手紙の両面を兎見こう見しながら、内玄関からはいって行こうとしたが、まわりに人のいないのを確かめると、彼はつと玄関わきの植え込みへ身をひそませて、損じないように注意ぶかく封書の封を切って読みはじめた。