Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

もう半ば以上、木場の甚が預かっていた柘植家の財産がすっかりお高へくることになったようなものだが、こうして急にとほうもない女分限者になることになったものの、お高のこころは、すこしもはずまなかった。よろこびのあまり、夢を見ているような心もちになりそうなものだが、そうではなかった。ただ馬鹿ばかしい気がしているだけだった。自分は、今さらお金持ちになぞなるよりも、このままでいいと思っていた。

が若松屋惣七のことを思うと、それだけの資財を擁して、彼とともに楽しみうる生活を考えて、お高も、こころがおどった。若松屋惣七には何もいわずに、十日ほど、金剛寺坂の家にぶらぶらしていた。

まだからだはほんとうでなかったし、若松屋の仕事は、引き続いて暇だった。それに、お高は、おせい様とすっかり仲よしになって、江戸へ帰るときも、もし都合がついたら、すぐにも雑司ヶ谷の寮のほうへ帰って行く約束がしてあった。むこうのほうが、からだにいいことも事実であった。

磯五が行っているのはいやではあったが、磯五が、じぶんの行くことを好んでいないのを知っているので、かえって、出かけて行って困らせてやろうという気もちも、お高には、強かった。