Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしはきれいにお前さまの女房でなくなって、自分の思うとおり、自ままにやってみたいのですよ」

「それもよかろう」

「そんなら、書いてくれますねえ」

「書きせえすれあいいのだろう」

「そうですよ。書きさえすれば、この証文をすっかりあなたに破かせてあげますよ」

「なに、破こうと思えば、いまふんだくったときに破くことができたのだ。もう一度ふんだくって、破いてもいいのだ。破いてしまえあ、それまでじゃあねえか」

「それはそうですよ。ではなぜ取り上げて破かないのですか」

「そこが磯五様のお情けというものだ」

「また何か悪だくみがあるのでございましょう。構いませんから早く離縁状を書いて、証文を取っかえっこしましょうよ」

磯五はさらさらと一札したためて、名前のところへ印形を押した。そして、お高に渡すにつけて証人がいるといって、お駒ちゃんを呼びこんだ。

お駒ちゃんは、まだ泣いていたとみえて、眼を真っ赤にして、白粉のはげた顔のまま出て来てすわった。お駒ちゃんは、磯五とお高が正式に夫婦別れをする、その証人だと聞かされても、きょとんとして二人をながめているだけだった。手を重ねて、不思議そうにふたりのすることを見物していた。