Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
きのう若松屋へ来て、滞在している、惣七の友だちの紙魚亭主人であった。
若松屋惣七は、磯五の短刀を抜き身のままふところへしまいこんで、まばゆそうな眼を、近づいて来ている紙魚亭主人へ向けていた。
二
四十七歳の越前守大岡忠相は、あらたに目安箱を置き、新田取り立ての高札を立てなどして、江戸南町奉行としてめざましい活躍をしたときだった。
深川の世話役木場の甚の願訴によって、各町の自身番、会所、銭湯、髪結い床のような人眼の多い場所に貼り紙を許した。それは、柘植宗庵の娘おゆうの夫相良寛十郎の行方、またはその後の動静を知っているものがあったら、どんなことでもいいから木場の甚までしらせてくれば、厚く礼をするという文句であった。
磯五がこの貼り紙を見たのは、若松屋惣七に突っ放されて、逃げるように加宮跡から式部小路へ帰ろうとする途中、連雀町の寄合所でなにげなく立ちどまって読んだのであった。そこでは、通行人の眼にとまりやすい、往来に近いところに貼ってあった。磯五は、柘植宗庵というのがお高の祖父で、おゆうが母であることも、父の名が相良寛十郎であったことも、いつかお高に聞いて知っていた。