Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
近いようで遠い。な、それだけのことじゃ。これは、星が悪いのであろうとわしは思う」
若松屋惣七は、ここで珍しいことをした。大声を立てて笑ったのだ。その笑い声に消されて、お高の泣き声は、若松屋惣七には聞こえなかった。
四
若松屋惣七が、麦田一八郎にも頼んで、二人で磯五を看視して、お高に近づけないようにすること、そのうちには、お高の出生や生い立ちを知っている生きた証人も現われるだろうし、父として死んだ他人の相良寛十郎と、ほんものの相良寛十郎との仔細も分明して、財産の一件もどのみち落ち着くことであろう。そういう話になって、当分はじっとしているよりほかないのだった。
十日ほどして、磯五からのがれるために、おせい様は西京のほうへ旅をすることになった。気候はよし、東海道の宿々をつぎつぎに下って行くのも、一興でないことはなかった。
お高と歌子が、そのぶらぶら旅にいっしょに行くことになった。若松屋惣七と麦田一八郎は、ひとまず金剛寺坂の家へ帰って、若松屋の仕事に一区切りつけて後始末をみてから、一足遅れて江戸をたつことになった。途中で追いつこうというのだった。