Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
はじめから、てんで聞こうとしないのだ。それかといって、母や自分の過去を話すでもなく、ただ、いま受けている手品の種などを、ひとり言のようにしゃべりつづけているだけだ。
日本一太郎は、すこし頭の調子が狂っているのだ。そうわかっても、お高はべつに悲しくなかった。莫迦ばかしい気持ちが先に立って、父に対する感じなどとうてい沸き得なかった。白じらした心もちでその藤代町の宿屋を出た。
金剛寺坂の若松屋惣七の屋敷へ行ってみると若松屋惣七と紙魚亭主人の麦田一八郎とが、京阪へ行くまえにちょっと帰って来ていた。お高は、久しぶりに佐吉や国平や滝蔵としばらく下男部屋でむだ話をしたのち、このあいだまでの女番頭のころのように、習慣的な軽い足どりで、奥の茶室兼惣七の帳場へ通って行った。
惣七は、あかるい縁に向かって、しきりに眼を洗っていた。派手な女の衣裳がうごいて、若松屋惣七の視野のなかへぼんやりはいってきたので、若松屋惣七はそれがお高であることを知った。
「高か」
「はい。高でございます。いつ雑賀屋からおもどりになりましたのでございます」
「おお。今のさきもどった」
「あの、麦田様も――」