Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「あら、誰? おや、日本一のおじいさんじゃあないの」お駒ちゃんは狼狽して「いやだよ。へんなところで会ったねえ」
「そっちはへんなところかもしれねえが、こっちは何も、へんなところではねえのだ。おいらはいま、そこの両国の小屋にかかっていて、これからついそこの藤代町のとやを帰るところなのさ。それはそうと、久しぶりじゃあねえか」
「ほんとに久しぶりだねえ。あれから」
と、お駒ちゃんは遠いところを見るような眼になって「何年になるかしら」
「三年だ」
「早いものだねえ」
「早えものさ。三年は三年でもおれとおめえが、あの田川の娘芝居に一座して、信濃路を打ってまわったころとは世の中も変わったぜ」
「あいさ。世の中も変わったか知らないけど、あたしも変わったのさ。変わらないのは、おじいさんばかりだよ」
「こいつあ耳に痛えや。相変わらず娑婆の場ふさぎといいてえところだ。あれからどうしたい?」
「おじいさんこそどうおしだえ」
「おいらか。おいらは――ま、おめえこれからどこへ行くのだ」
「どこへ行くといって、ここへ行きますという当てはないのだよ。ただこうやって町を歩いているのだもの」
日本一太郎が、はじめてお駒ちゃんのみすぼらしい服装に気がついたように、改めて、まじまじとお駒ちゃんを見直すと、お駒ちゃんは、ほろ苦く笑って、袂でからだを包むような恰好