Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「磯屋のことを、おあきらめになれないのでございますか」
「あなたには、すみませんよねえ。かりにも良人となっている人を――」
「わたくしは、思い切って、掛川へまいりましょうかしら」
「いいえ。掛川へいらっしゃるのは、いけませんよ」
「なぜでございますか」
「なぜでもいけませんよ。男の方がおふたり行っていらしって、お二人ともあなたに――何というお侍様でしたかしら? いつかお話しなさいましたよねえ。若松屋さんにお金をお立て替えになって、その掛川の宿屋とかをお引き請けになって、それから、お寺様へ御喜捨なすって掛川へおいでになったという――」
「龍造寺主計さまでございますか」
「そうですよ。その龍造寺主計さまも、あなたを想っていらっしゃるといういつかのお話ではございませんか。で、ございますから、掛川へおいでになるのは、およしなさいましよ。一つ家で男ふたりに想われて中にはさまれるのは、あぶのうございますよ」
お高が、赧くなって黙ってうつむくと、おせい様は語をつないで、
「お高様は、若松屋さまを、慕っておいでなのでございますか」
「はい」
「それで、磯五さんとは、ちゃんと切れていないのでございますねえ。