Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
これでひとつ、磯五を取って押えるようにしようではないか――とおっしゃったのは、あれはいったいどこのどなたさまで!」
二人の笑いに伊吹大作も加わつて、そこへ、そよ風が吹いてきて、青葉のゆらぎがゆらゆらと部屋中にうごいた。
四
どうして火が起こったのかわからなかったが、はやい炎の舌だった。お駒が気がついたときは、日本一太郎の姿はどこにも見られなかった。
お駒のまわりには、赤い火の色と、ぱちぱちいう木の燃える音とがあるだけで、その中に、津浪のようなひびきと黒いものの動揺があった。津浪のような響きは、観客や舞台裏の人々の叫びであった。黒い物は、逃げ惑う者の頭や手や足であった。めいめい勝手な方向にもみ合って、全体としてはすこしも動かなかった。その上を、赤い馬の形をした火炎や、白い龍の姿をした煙や、紫のかたまりのような火とけむりの影やが、茫々と、団だんと、またしいんと静まり返ってなめまわり、燃えさかっていた。
じっさいそれは、日本一太郎が取り出してみせた、最も効果的な、もっとも幻想的な手品の一場面であった。お駒ちゃんは、今度の興行では必ず江戸の評判になって、一世一代の花を咲かせてみせるといった日本一太郎のことばを想い出して、一生懸命に舞台を駈けまわって火とけむりの下をくぐりながら、あの人はこのことをいった