Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「何がためにさような手品を考案いたしたか、また、何ものが都合よく火を失したか、この二点であろうがな」
「御意にございます」
「ついでじゃ。いって聞かそう。一に、その志を罰し、災を事前にふせぎ、世の禍根を除くため、であろうと、まず推測いたすな。縁を絶たれた名ばかりの妻も、若後家となって、良縁を求めて再嫁することもできるによって、まず、このほうも人助けかな」
木場の甚も、そばで黙ってきいてきた伊吹大作も、いつのまにか平伏しているのだ。
忠相は、庭の木もれ陽に眼を細くしながら、ひとり言のようにつづけて、
「が、火事は放け火であるぞ」
うめくようにいった。木甚はいっそう平たくなって、
「申しわけございませぬ。やり過ぎましたでございましょうか」
「火事は、放け火であるぞ」
「はっ」
「放け火は重罪。家財没収、家は没落じゃ。磯屋五兵衛の遺産いっさい、家屋敷、有り金、蔵の品、すべて取り上げるがよい」
「あの、磯五が放け火を――」
「さようじゃ。小屋に火を放ったのは磯五である」
「はい――して、その、お召し上げになりました磯屋の財産は」
「出したところへ返るのじゃ。拝領町屋の雑賀屋とやら申したな」