Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
登りつめればお駕籠者の組屋敷。
と、その中途に、ちょうど饗庭の屋敷と背中合わせに、一軒の家が建っている。
「これだ、親分。どうでごわす、見分けがつきますかね」
安兵衛が指さした。
なるほど、これでは誰でも間違うのがあたりまえ、どう見ても全く同一で、ちょいと見分けがつかない。
不思議といえば不思議。
真昼間の妖術といおうか、薄っ気味の悪いほど似ているではないか。
「あっしはさっきからここに立って見張っていやしたが、誰一人出たものも、へえった者もござえません。しかし、あれが饗庭の屋敷とすると、これあどなたのお住まいですえ?」
安がいった。誰の屋敷? 文次も知らない。
鷹のような険しい眼をすえて、文次は黙って、その屋敷をみつめている。
明様の土塀に型ばかりのお長屋門、そっと潜りをあけてのぞくと、数寄屋詰道句風をまねた飛び石づたいに正面の大玄関が見えて、何年にも手入れをしないらしく、雑草にうずもれて早咲きの霧島がほころんでいるぐあい、とにかく、一本一石、松の枝ぶり、枯れ案配、壁の汚点から瓦のかけ方、あたりのただずまい何から何まで、似ているのではない、全然同じなのだ。