Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
受け取ったのは影屋敷なのに、なんとうまい嘘をついている――文次は感心した。それに女の死骸とは!
蛇ににらまれた蛙同様、閑山はぐうの音も立てずにすくんでいるらしい。それとも相手が猫だから、まず鼠というところかもしれない。悪党らしくもないようだが、何とかして金を出さずにこの場をすませたいというのだから、閑山の苦しがるのもむりもないわけで、かげで一伍一什をきいている文次には、当初からのいきさつが掌を指すようにわかってしまった。
鎧櫃の底で、あの眼じるしのある小判をみつけたとき、すでに文次は櫃の中には女が隠れていたことをみぬいたのだ。
小判には桝目の印が打ってある。
江戸中の岡っ引きがいま地をかぎまわって捜しているのが、この桝目の小判で五百両と、それを持ち歩く女とであってみれば、その一枚の小判からすぐと女を頭へ浮かべたのは、この場合、文次でなくても誰でも見通しのきくところであろうが、女はただ女とだけでぼんやりした人相書き以外は、どこの何者とも知れていなかったのを、途中で掏摸にあったばかりに、三味線堀手枕舎里好の家で残余の小判を呑んでいる女を突きとめることができたとは、人間万事塞翁が馬、何からいい蔓をたぐり当てるか知れたものでない。