Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「は、いえ、お耳に入れる名もない下素な者にござります」
「たわけめ! 名のない者があるか」
「恐れ入りましてございます。いろは屋文次と申しまして、御用の走り使いを勤むる町人にござりまする」
「いろは屋文次! 侠気めいた殊勝な名じゃ。さだめてやりおることであろう。そちから厚くねぎらって取らせい」
「はっ。ありがたきしあわせに存じまする」
「うむ。で、下手人と申すか、つまりその、花を使う者だな。これという見込みでもついたか」
「それがでござります。まことに申しわけございませぬがその毒草」
「毒草?」
「は。毒草ということだけは判明致しましたが、それ以外はいっさい――」
「いまだもって密雲の底に包まれておるという仕儀か」
「おことばのとおりにございます」
「自慢にもならないことに力を入れていうな。が、しかし、その毒物、本朝の産ではあるまい」
「と手前ども一統も愚考致しておりまする」
「うむ。つぎに、烏羽玉組とやら申す斬り取り強盗の輩がいよいよ跳梁しおるとのことだが、また、例のあの一派の浪人ばらの動静はどうじゃな」
「御前」
「何だ」
「それについて失礼ながらお耳を」邦之助はいっしょうけんめいだ。