Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
そしてどんどん奥へはいってしまった。
邦之助が何をいったのかそれはわからないが、定めの半刻がたったので、世の格式を無視した会見はこれでおしまい。
済んでみるとあっけない。大老と一同心。もう一生涯に顔を見ることもかなうまい。年に一度会う七夕さまよりも情けないわけだ。
邦之助がぽかんとしていると、お小姓が菓子折と金一封を持って来て、御苦労さまと口上を述べている。
はっと気がついた税所邦之助、いざ座を離れようとすると、足がしびれて袴の裾を踏んだ。
小姓がくすっと笑って下を向いた。
邦之助の役宅は八丁堀屋根屋新道、帰路について、往来を歩きながらも、邦之助の頭は死に花の一件や烏羽玉組の跳躍、さては今いってきた大老様に対する水戸藩一派の策動などでいっぱいだった。考えれば考えるほど、このごろは人間がめだって不敵になったように思われる。
「しかし、これも世の中かな」
と思う。
が、得体の知れない草花を使う刺客やら、江戸中に出没する黒装束の強盗団、人もあろうに大老の首をねらう一味のことなどを、同心としての自分の立場からつぎからつぎと心に浮かべてゆくと、その一つにすらはっきりとした眼串が立っていないのが、役柄の手前はなはだふがいない気がする。