Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
そしてとうとうしまいに二人を相手に大立ちまわりとなったのだったが、文次は手当たりしだいにそこらの物を投げつけながら、火事だ、火事だ! と呼ばわった。すると、これにはさすがの二人も僻易して逃げ出したので、文次も続いて飛び出し、ここまで見え隠れに跡をつけてきたのだという。文次は笑った。
「おかげで閑山の店はめちゃめちゃだし、神田界隈は火事と聞いて大騒ぎをやってらあ」
「親分」安が眼を光らせた。「この侍を斬ったのは、この人がつけてたもう一人の侍だがね。そいつもあの屋敷へ逃げこんだ。それがね親分、肘を斬られてて血がたれてましたぜ」
「ふうむ。血を引いて行ったか」
「あい。明日その跡をたどってみやしょう」
「そうだ、夜が明けたら出直して来て、その血のあとを頼りによく屋敷の周囲をあらためてみよう。今夜はこれで――安、ご苦労だが、その人をかついでってくれ」
文次と安、気絶している守人を肩に、ともかくその夜は帰路についた。
歩きながら、話し合っている。
「その二人づれの今夜の押し込みてえのが――ことによると烏羽玉組じゃあごわすめえか」
「われもそう思うか。実あおいらもそこらが見当だ。