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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

お蔦は蝙蝠かと思って、ぎょっとしたが、里好は慣れたもの、

「これ、これ!」

と喜びの声をもらして、そこらに落ち散った布を集めている。拾い上げてみると、黒い布を、ずんどうの袋に縫ったもので、頭から手足まですっかり包んで眼だけ出るようにできている。里好にいわれてそれを着けたお蔦は、何だか自分からこの世を離れて、全然別な世界へ来たような気がした。里好も、もう一塊の黒い袋と化している。二人は顧み合って、袋の中でにっこりした。

一つの袋が歩き出す。

他の袋がついて行く。

まるで、南海の怪鳥が行列を作っているようである。それはもうお蔦でもなければ、里好でもない。二人はただ、うばたまの闇黒にうごめく烏羽玉の果の一つ二つだ。

木の下道のような暗い細いところを、あれで二、三十歩も行ったであろうか。

「下りだ、気をつけなさい」

という里好の声で、お蔦が足をすべらせないように木で張った梯子段をおり切ると、眼の前の二間ほどの所に、荒筵が二枚だらりと下がっていて、その目を通して、何やら黄色い光が、地獄の夢のように、ぼうっともれている。

「お仲間がたくさんいますよ」

里好の声は笑っていた。