Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.177 Zeichen · 5 Bildschirme
仕事の上からいっても、仕事先のこともあるから、今、私を取られては仕事その他種々差し支えがあるというので、当人の私よりも師匠がまず非常の心配をしました。
そこでいろいろ調べて見ると、其所にはまた楽なことがある。いわば逃れ道があるのです。というは、総領は取らぬということです。私は事実は総領のことをしているが、戸籍の上では次男でありますから、この逃れ道は何んにもならない。私は兵隊に取られる方である。ところが、また、次男でも、親を一人持ち、戸主であれば取らぬという。それから、もう一つ、二百七十円政府へ上納すれば取らんというのです。
それで、金銭のある人は金を出して逃れる道をした、その当時何んでもない爺さま婆さまが、思い掛けなく、金持の息子の養子親となって仕合わせをしたなどいう話があって、これを「徴兵養子」と称えたものです。毎年この徴兵令のことは打ち続いて行われるのだそうで、国家のため、さらに忌み嫌うべきことではないが、師匠の考えでは、幸吉がこれから三年の兵役を受けることになると、今が正に大事な所、これから一修業という矢先へ、剣付鉄砲を肩にして調練に三ヶ年の長の月日をやられては、第一技術の進歩を挫き、折角のこれまでの修業も後戻りする。