Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.891 Zeichen · 10 Bildschirme
さて、私は、自分の境遇を考えると、前述のような羽目になっている。どうしても、この際、家内を貰わなければならない都合になっている。といって上ッ冠りで、妻の身内の方から何かと助けてもらうような状態になることなどは好ましくない。今の自分の境遇相当、自分にもさして懸隔がなく、そして気立ての確かりした、苦労に耐え得るほどの婦人があれば、それこそ、今が今といっても、家内にしても差しつかえがないと思っているところへ、ちょうど、此所にお若という気の毒な境遇に立っている婦人を見出したのであった。その娘は、今、何処といって行く所がなくて困っている。さて、自分は親が二人、まだ全く一本立ちというには至っておらぬ。しかも母は病気で、家とてもまた貧しい。こういう処へ嫁に来るには、この娘ならばちょうど好くはないか。相当苦労もしていれば、貧乏世帯を張っても、また病人の姑に対しても相当に旨くやり切って行くかも知れない。どうもあの娘ならば、それも出来そうである――とこう私は思い立ったのであった。
しかし、自分はそうは思っても、先方の考えはどうであるか、さっぱり分らぬ。ただ、どうも、よさそうに思われることは、お互いに何もないこと、……無財産であることが第一面倒でないから、持つとすれば自分の妻にはこの婦人がよかろうと心を定めました。