Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.595 Zeichen · 4 Bildschirme
という勢いであった。
されば、従来、木彫家であった島村俊明氏なども世の好尚につれ、沢田(銀次郎)に勧められて牙彫りの方へ代ってしまいました(石川光明氏は最初より牙彫りをやった人で、当時の流行者の一人であった)。また本郷天神前に、旭玉山という牙彫家がいて弟子の五人十人も持ち、なかなか盛んであった。当時の物価の安い時分でも、一日の手間三円五十銭を得た位、師匠の作はもとより弟子たちの作でもドシドシ売れ捌けたものであった。それで、象牙商というものが、四、五軒も出来て大仕掛けに商売をしている。すべてこの調子で、象牙彫りは一世を圧倒するの勢いでありましたが、それに引き代え、木彫りは孤城落日の姿で、まことに散々な有様でありました。
されば、その頃、この流行を逆に行って、木彫りをやっているなどは、誠に気の利かない奴に相違なかったのであります。それに木彫りは破損しやすいが、象牙彫りは粘着力があって、しかも、見た目に美しく、何んとなく手の中へ入れて丸められるような可愛らしさがありますから、時流に適したは無理のないこと。需要の多いものを供給し、人の好むに投じて製作すれば、したがって収入多く、生計もたちまち豊かに、名声もまた高くなるのでありますが、私は、どうも、おかしな意地を持って、なかなかこの象牙彫りをやる気になれませんでし