Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.469 Zeichen · 5 Bildschirme
まるで経験のない仕事であるから、とてもこれはやれない。折角ですが……と断わりますと、大島氏はなかなか承知せず、
「そんな心配は御無用だ。木彫りの出来るあなたが蝋のひねられないという道理はない。まあ、とにかく、来てやって下さい。木のやれる腕前だ。蝋は何んでもない。是非一つ引き受けておもらいしたい」
と、一本槍に頼まれて、私も実は当惑した。というのも、手練れないことを軽率にやって、物笑いになるようでは気の利かぬ話と思ったからであります。けれども、大島氏は強ってといってなかなか許しませんので、経験がないということも、その経験を作ることによって、智識も啓け、腕も上達するというもの、聞けば蝋作りというものは、なかなか自由の利くもので、指でひねって形を作るのであるというが、これはかねてから心を惹かれている彼の増減自在の「脂土」のことにも思い到り、手法は異うにしても、蝋でやることも面白からん、これは大いに彫刻のたよりとなるであろう。初めての仕事なれど、何も経験である。行って見ようかと私の心は動いて来ました。
それに勝次郎という人の仕事の上手であることをも予てから知っており、この人と一緒に仕事することは、いろいろ智識を開くことにもなろう。