Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.159 Zeichen · 9 Bildschirme
その片棒を私がやって、親子で寿町の家を出て、入谷田圃を抜けて担いで行く。
御承知の通り大鷲神社の境内は狭いので、皆無理をして店を拵える。私たちの店は、毎年店を出す黒人が半分池の上に丸太を渡しその上に板を並べ、自分の店を拵えてその余りを、私の父が借りました。場所がよくて、割合に安いが、実に危険です。それは隣りの店の余りで、池の上に跳ね出しになっているのです。前は手欄で、後は葭簀張り、大きいのから高い方へ差し、何んでも一体に景気の沸き立って見えるように趣向をする。縁起をかつぐ連中は午前一時頃から押し掛けて来る。いの一番に参詣して一年中の福徳を自分一人で受ける考え――朝はちょっと人が薄く、午前十時頃からまた追々雑踏するが、昼の客は割合にお人柄で、夕刻から夜に掛けてお店者並びに職人のわいわい連中が押して来て非常な騒ぎとなる。何んでも一年中でこの酉の市ほど甚い雑踏はないのだから、実に無量雑多な人間が流れ込んで来る。とにかく、生馬の目でも抜こうという盛り場のことで、ぼんやりしていては飛んだ目に逢うのですが、私の父は、そういった人中の商売は黒人のことですから、万事に抜け目がなく、たとえば売り溜めの銭などは、バラで抛って置いてある。