Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.795 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

老人は日暮れ近くになって、ぶらぶらと帰って来られる。取れた儲けの中から、お土産などを買って……手間と元手も実はもうそのお土産になってしまうこともあるが、それでも老人は万と儲けたような気分、「今日はなかなかおもしろかった」といって罪なく笑壺に入っている所はまことに人の好いもので、私たち夫婦は、つい貰い笑いをして、

「お父さん、折角儲けたのをみんなお土産にしてしまってはお気の毒ですね。それでは商売にならないでしょう」

などいうと、

「何、先方が馬鹿に俺の趣向をおもしろがって買ってくれるんだ。儲けなくても、それだけでも気保養だのに、こんなお土産が買えて、まだ少し位残った所などは感心じゃないか」

など、何処までもお人柄な隠居気質。こういうところは、生馬の目を抜くような江戸の真ん中で若い時から苦労ずくめの商売をした人のようでもなく、どうかすれば歌俳諧でもやるような塩梅でありました。それに、おかしいのは、老人のこの新案の葦のおもちゃは極日中はいけないのでした。薄曇った日とか、朝夕位のところでないと、葦の若葉がしおれるので、ほんの瞬間の生々した気分を売り物にするという、まことに妙な玩具でありました。