Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.213 Zeichen · 7 Bildschirme
実に恐ろしく苦しみました。
それで、医師の合田氏は、これはいけないと非常な丹精をしてくれまして、夜も帰宅らず、徹宵附き添い、薬も自身煎じて看護してくれられました。その丹精がなかったら恐らく私は生命を取られたことと思いますが、三ヶ月ほどしてようやく快方に趣いたのであった。
この合田氏という医師は、これまた一種の変人であって、金持ちを嫌いという人、貧乏人のためには薬代も取らぬというほどに貧窮者に対して同情のあった人で、医は仁術なりという言葉をそのまま実行されたような珍しい人でありました。気性が高潔である如く、医術も非常に上手でありました。私がこういう名医に友人があってその人の手にあらゆる親切と同情をもって看護されたことは全く私の幸福でありました。
しかし、私は、既に世の中に顔を出して来てはおったものの、まだまだ木彫りが行われているという世の中にならず、相更らずの貧乏でありますから、医師にお礼をしたくてもするわけに行きません。大病で、三ヶ月も床に就いていることだから、生活には追われて来る。知人などの見舞いのものでその日を過ごしていたような有様でありました。