Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.432 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

東京の方と、田舎の人とでは、どうも……」

など挨拶をしている。

「でもねえ、何んだか、私は不安心ですよ。綾が取って食べられそうな人なんで……」

「いや、御隠居様。今の世の中は、そういう男が役に立つのでございますよ。御安心なさいまし」

師匠は高声で、笑い声も交じって奥で話していられる。私は店にいて、聞くともなくそんな話しを聞いて、あの御婦人も今度田舎のお武士へお片附きになったかと思ったことでありました。

その後、幾日かを経て、三枝未亡人はまた東雲師宅へ参られ、申すには、東雲さん、今日は妙なことをちょっとお願いしたいので参りましたが、実はこれを貴君に始末して頂こうと思って持って参じましたといって風呂敷包みを解かれると、中に絹の服紗に包んだものが米ならば一升五合もあろうかと思うほどの嵩になっている。それを拡げると、中から出たものが無数の紙片の束であった。

「これは綾子が宅におります時分、長い間掛かって丹精して書きためたものですが、仕舞って置くにしても置き所もなし、焼いて棄てるにしては勿体なし。貴君は仏師のことで、こういうものの始末はよく御存じと思いますので、何んとか好い方法で始末をなすって下さい」