Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.432 Zeichen · 18 Bildschirme
の屋敷が不用になったから、それを売りたいというので師匠は相談を受けておった。けれども、他に好い買い手もなかったが、師匠がその屋敷を買い取ることになって、一時、向島へ預けて置いたが、預かり主が風のよくない人で、預けた材木が段々減って行くような有様なので、師匠は空地を見附け、右の三枝家から買い取った家の材木で家作を立てました。この家がすなわち前お話した堀田原の家。師匠の姉のお悦さんの住んでいた家であります。お悦さんは私の養母であって、私も其所に寝泊まりをし、後には一家すべてが引き移ったのです。座敷など三枝家の時とそのままで武家風な作りであった。
当時、竜之介氏も他の旗下衆の人たちと同じように一家の事も充分でなかったと見え、或る日、東雲師の家に来られて、
「東雲さん、私も、どうもこの頃運が悪くて困る。一つ運が好くなるように、縁喜直しに大黒さんを彫ってくれませんか」
という頼み、師匠も尋常ならぬ三枝氏の頼みだから、「それは、早速彫りましょう」といって和白檀で二寸四分の小さな大黒さんを彫って上げました。すると、それが大変竜之介氏の気に入ったのでした。というのは、木の木目の玉が、頭巾にも腹のところにも、また、俵の左右の宝球のところにもまるで球のように旨く出たのであったので、それが縁喜が好いといって三枝氏が大層よろこんだ