Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.380 Zeichen · 7 Bildschirme
それは何処ですと聞くと、谷中天王寺の手前の谷中谷中町三十七という所で、五重塔の方へ行こうとする通りに大きな石屋があるが、その横丁を曲って、石屋の地尻で、門構えの家。玄関を這入ると二畳で、六畳の客間があり居間が六畳、それに四畳半の小部屋が附いている上に、不思議なことには直ぐ部屋続きに八畳敷き位の仕事場とも思われる部屋がある。その部屋は南向きで日当りがよく、お隣りは宝珠院というお寺の庭に接しているから、充分ゆとりもあり、庭はまたお寺の地所十四、五坪を取り入れてなかなか広く、お稲荷さんの祠などあってなかなか異だということです。それで家賃はというと、四円……別にお寺へ納める庭の十四、五坪の地代が五十銭、都合四円五十銭、ということです。老人は大変気に入っていられる。
それで、私もこれは好いと思い、早速行って見ますと、なるほど、これは格好、往来に向いて出格子の窓などがあり、茶屋町の裏町になった横丁だが四方も物静かで、父の申す如く彫刻家が住むにはいかにも誂え向きという家ですから、早速話を決めました。
その頃のことで、別に敷金を取るでもなく、大屋さんへちょっと手土産をする位で何んの面倒もなく引き移りました。