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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらやまばば

平山婆

田中 貢太郎

Lesen Sie 平山婆 (ひらやまばば) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 995 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

壁厨の中にはお爺さんとお婆さんが並んで、行儀よく坐っていた。息子もそれにはぎょっとしたが、家長として責任があった。

「何か云いたいことがあるかね、あるなら云ってもらおう、そんなことをせられては、みっともない」

と云うと二人の姿はぱっと消えてしまった。

夜になって細君が蒲団を出そうと思って壁厨を開けた。壁厨の中には昼間のとおりにお爺さんとお婆さんが坐っていた。細君は夫が傍にいるので気が強かった。

「そんなに、何時も出てどうします、困るじゃありませんか」

細君は二人にかまわずさっさと蒲団を出そうとした。すると二人の姿は消えてしまった。

朝になって細君が蒲団をしまおうとしてその壁厨を開けると、また二人がその中に坐っていた。

それから昼でも夜でも、壁厨を開けさえすれば、二人の坐っている姿が見えたが、ただ坐っているばかりで何もしなかった。この壁厨の怪異は、やがて村中の評判になり、村の人はそれを平山婆と呼んだ。

平山婆の噂があまり高くなったので、息子夫婦はそこにいられなくなって、別の炭坑地へ引越したが、そこにも爺さんと婆さんがやはり壁厨の中に姿を見せるので、又別の家へ移ったが、そこへも爺さんと婆さんは蹤いて来た。