Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.946 Zeichen · 34 Bildschirme
気が差したように、禿上った額をツルリと撫でて、
「こりゃアどうもくだらねえ無駄ッ話を……。尤も、定太郎のせいばかりじゃない。子供のときから親父のいいなり次第。張りのねえ男で、吝ったれが盆栽を弄るようにすっかり枝を矯められてしまったせいなんでしょうが……」
「それほど嫌っていながら……」
「ええ、それというのは、里春が怖いからなんです。心の中じゃ身顫いの出るほど嫌ってるんだが、あまり素気なくすると許嫁のところへ暴れ込まれ、せっかく纏りかけた縁談をぶち毀されないものでもないと思って、誘われれば嫌々ながら出かけて行くといったわけあいらしいんです」
火明りに映った顔
源内先生は、ぶつくさ。
内心は、それほど嫌でもなさそうなんだが、何かひと言いわないとおさまらないのだと見える。
年に一度のお祭だというのに、今まで家で何をしていたのか、頭から木屑だらけになり、強い薬品で焼焦げになった古帷子を前下りに着て、妙なふうに両手をブランブランさせながら、
「ねえ、伝兵衛さん、実に、わしは迷惑なんだ。何かあるたびに、ちょいと先生、ちょいと先生……。わしはお前さんのお雇いでもなければ追い廻しでもない。