Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme
「とても、それどころじゃない。ねえ、一瓢さん、あんたはどう思う。路考さんの話を疑うわけじゃないが、路考さんが十年前に書いたという古い文が、今朝殺されたお蔦という娘の文箱から出て来た。いくら浜村屋が酔興でも、九つ十歳の娘などに色文をつけるわけはない」
一瓢は、妙な工合に唇を反らしながら、
「それゃ何ともいえねえ。浜村屋のやり方は端倪すべからずですからなア」
路考の方へ、ジロリと睨みをくれて、
「路考さん、あっしはいつか一度言おうと思っていたんだが、いくら立女形の名代のでも、あんたのやり方は少し阿漕すぎると思うんだ。薄情もいい浮気もいいが、いい加減にしておかないと、いずれ悪い目を見るぜ」
源内先生は、分けて入って、
「おい、一瓢さん、今そんなことを言い出したってしようがない。それどころじゃないんだから、憎まれ口なら後にしてもらおう」
長い顔を、路考の方へ振向けて、
「話はだいたい嚥込んだが、十年前にさる人に、だけじゃ、どうも困る。どういう経緯で、誰にやった手紙なのか、話していただくわけにはゆきませんか」
路考は、すぐ頷いて、
「大きな顔で申上げられるようなことでもありませんけど、隠していると何かご迷惑があるようですから、何も彼も包まず申上げます。