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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の頽勢にひきかえて路考の方はいまだに万年若衆。江戸中の女子供の憧憬を一身にあつめているというのだからいかにも口惜しい。路考を贔屓にする若い女はみな自分の仇だというような気になって理窟に合わぬ妬心から、こんなことを始めたものと思われる。……それにしても、古い路考の色文を、うまい工合に使い廻して有頂天にさせて戸外へ引出し、鷲を使って殺めつけようなんてのは、あまりといえば凄い思いつき。名前の殺手姫というのはいかにも心柄に相応しい。……今度ばかりは、わしも少々辟易した」

といって、日差を眺め、

「おお、もう四ツか。こりゃ歩いてたんじゃ間に合わない。駕籠だ、駕籠だ」

多町の辻から駕籠に乗り、六阿弥陀の通りを北へ一町、杉の生垣を廻した萩寺の前へ出た。

地境の端から草地になり、その向うに、おどろおどろしいばかりに壊え崩れた土塀を廻した古屋敷。

塀の中から立ち上った大きな欅の樹に、二つ三つ赤い実をつけた烏瓜が繞み上って、風に吹かれて揺れている。

駕籠は萩寺の前で返し、草地を歩いて門の前。

門というのは形ばかり。土壊で土地が沈み、太い門柱が門扉をつけたままごろんと寝転っている。