Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.367 Zeichen · 36 Bildschirme
どもでお預りしてあるのでござります。……あなたさまも、あの、やッぱり長崎の方から、……」
「いや、わしは江戸から来たのだが、一寸利七さんに所用があってお寄りしたようなわけだッたんだが、居ないというんじゃどうしようもない。先月の十五日に出たッ切り帰らない人をここで何時までも待っているわけにもいくまいから、ちょっと一と筆書残して行くことにしよう」
源内先生は、矢立と懐紙を取出して筆を走らせているうちに何を思ったか筆を止め、自分の額を睨め上げるようにしながら何事か熟思する体だッたが、急に唸るような声で、
「うむ、こりゃいかん。よもやとは思うが、ことによればことによる。ひょっとすると……」
わけの判らぬことを独でグズグズ言っていたが、主人の方に膝を向け変え、
「唐木屋が出て行くとき何か変ったことでもありませんでしたかな」
主人は、嚥みこめぬ顔で、
「へえ、格別、変ったこともござりませなんだが。……朝の四ツごろ使屋が封じ文を持って来まして、唐木屋はんはそれを読むと、急にこう厳つウい顔付にならはりまして、間もなくそそくさとお出かけになられましたが……」
源内先生は、セカセカと立ち上って、