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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきばしょから

平野零児随想集 らいちゃん

平野 零児

Lesen Sie 平野零児随想集 らいちゃん (あきばしょから) von 平野 零児 (ひらのれいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.838 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

「近ごろは、私も酒を飲めるようになってね、今朝も飛行機で宿に着くと、コニャックを飲み一寸御きげんなんですよ」といった。

別れる時に配給のとぼしい酒を、私にだけ、自らしゃくをして飲ませてくれた親切を、私は思い出して目頭があつくなった。

「みんな心配しているが、案外元気じゃないの、よかったね。奥さんも元気でいますよ」

そういって梢風さんは、戦後の内地のことを矢継ぎ早に語ってくれた。

「私もね、えらく書いたものが評判が良くてね、鎌倉に立派な家も持ちましたよ。君が帰ったら力にもなりますよ」

となぐさめてもくれた。そして文芸春秋社から出した『名勝負物語』の著書を手渡してくれた。それには菊池寛氏のことなどが書かれてあった。

「なかなか、目も澄んで血色もよく平野君は筋金入りになり、しっかりしていますよ」と梢風さんは帰国すると、私の友人達に伝えたという。

つい先日が、初七日だった。密葬の日は鎌倉にかけつけると、棺に埋まった無鬚だった梢風さんの口ヒゲが、白く伸びた顔があった。私はそれに黙とうをささげた。死んで初めてこの人の老いを知ったのであった。

内輪の少数の友が、日比谷山水楼に招かれて、皆がこもごも追悼談をした。