Japanische Klassiker mit Furigana
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としちゃんとハーモニカ
年ちゃんとハーモニカ
小川 未明
Lesen Sie 年ちゃんとハーモニカ (としちゃんとハーモニカ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.704 Zeichen · 4 Bildschirme
みんなは、そのまじめなようすがおかしいので、くすくすと笑いました。
けれど、年ちゃんだけは、真剣でした。そのうち、ラジオのハーモニカが、はじまりました。名人だけあって、それはうまいもので、ピアノの音も出れば、バイオリンの音も出たのであります。
年ちゃんは、はじめは、それに合わせるつもりでしたが、たちまち、その元気はどこへやら消えて、しまいには、ハーモニカを吹くのをやめて、ただ、石のように、だまったまま、下を向いてきいていました。
やっと、その、ハーモニカが、終わると、お兄さんは、
「うまいもんだな。どうだ、年ちゃん、問題にならないだろう。」と、いいました。
お姉さんまでが、
「どう? 年ちゃん。」と、お笑いになりました。
なんといわれても、年ちゃんは、ただ、だまっていました。そのようすが、いかにもしおらしかったのです。
これをごらんになった、お母さんが、
「ねえ、年ちゃんも、いんまには、ああいうように上手に吹けますね。」と、おっしゃってくださいました。
これを聞くと、年ちゃんは、急に、味方を得たというよりは、悲しくなったのでしょう。お母さんの胸にとびつくようにしてその顔をふところのあたりへ埋めました。