Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふくのけんせつ

幸福の建設

宮本 百合子

Lesen Sie 幸福の建設 (こうふくのけんせつ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.347 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

そして明晩城に火をかけるからお前達は逃げてこいという密使がきたわけですが、その時に女の人は何と申しましたかといえば、私はもう女として生きることはこりこりだ、自分は今までに二度結婚させられている。初めはやはり人質としてよそへ片づけられたが、その人からもぎ離されてこの人と結婚した。自分はその人を愛しているし、その人も自分を愛している。それに子供も三人いる。自分がもしここで兄や父親の手許に引取られたならば、自分は不幸にして容貌がうるわしいから、三度も四度も都合のよい贈物のようにしていつもいつも敵にまわる人の手にばかり渡されるだろうし、自分は自分の愛情のためにもそういう目にあうことは結構だ。また自分の娘達の生涯というものも考えてみれば、あまり可哀想だ。娘達も美しい可愛い娘達だから、大きくなれば自分と同じような人生を送るだろう。自分はそれを防いでやる力はない。だから自分と娘達は自分達の愛情をもっているところで死にます、といって何度も何度も迎えが参りましてもそれを断って、とうとうその三人の娘を刺殺し自分も自害したという話があります。これは名前を申上げたら皆さんよくおわかりになるだろうと思いますけれども、私はずいぶん古く読んだので今思い出せないのですが、そういう女の人の不幸の生活があります。