Japanische Klassiker mit Furigana
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こううんのほくろ
幸運の黒子
海野 十三
Lesen Sie 幸運の黒子 (こううんのほくろ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.913 Zeichen · 6 Bildschirme
この際、払込金の一部を低利で貸してもらおうと思って川原に交渉を頼んだのだったが、それが最高百円ではすっかり予想を裏切ってしまった。
「どうも気の毒だがね、どうにも仕様がないよ。これがきみの細君の保険だったら、ここんとこできみは一万円の紙幣束を掴んでいるはずだった」
「そういえば、なるほど。どうしておれはこう不運なんだろう!」
「不運といえば、思い出したがね」
友人の川原は改まった口調で語りだした。
「神龍子という観相家の話を聞いたんだが、きみ、幸運の黒子というのがあるんだ。顔にできている黒子といえば普通、鼻筋を中心として左側にあるに決まっていて、右側にあるのは非常に稀なんだそうだ。そう言われて気をつけて人の顔を見ていると、なるほど顔の黒子はみな左側にあるね。ところで、右側に黒子のある人間が全然いないかというと、そうでもないのだ。極めて稀だが、あるにはある。そして右側に黒子のある人はたいへん幸運なんだそうだよ。きみもいつまでも鰥夫でいずに、今度は幸運の黒子のある若い女でも探し当てて再婚してはどうかね」
たいへん耳寄りな話だった。
自分の顔に幸運の黒子を植えつけるわけにはいかないが、鮮やかな幸運の黒子を持つ若い女を女房に持てば相当運が向いてくるだろう。