Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
という委細の談を聞いて、何となく気が進んだので、考えて見る段になれば随分頓興で物好なことだが、わざわざ教えられたその寺を心当に山の中へ入り込んだのである。
路はかなりの大さの渓に沿って上って行くのであった。両岸の山は或時は右が遠ざかったり左が遠ざかったり、また或時は右が迫って来たり左が迫って来たり、時に両方が迫って来て、一水遥に遠く巨巌の下に白泡を立てて沸り流れたりした。或場処は路が対岸に移るようになっているために、危い略※が目の眩くような急流に架っているのを渡ったり、また少時して同じようなのを渡り反ったりして進んだ。恐ろしい大きな高い巌が前途に横たわっていて、あのさきへ行くのか知らんと疑われるような覚束ない路を辿って行くと、辛うじてその岩岨に線のような道が付いていて、是非なくも蟻の如く蟹の如くになりながら通り過ぎてはホッと息を吐くこともあって、何だってこんな人にも行会わぬいわゆる僻地窮境に来たことかと、聊か後悔する気味にもならざるを得ないで、薄暗いほどに茂った大樹の蔭に憩いながら明るくない心持の沈黙を続けていると、ヒーッ、頭の上から名を知らぬ禽が意味の分らぬ歌を投げ落したりした。