Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

風の音、雨の音、川鳴の音、樹木の音、ただもう天地はザーッと、黒漆のように黒い闇の中に音を立てているばかりだ。晩成先生は泣きたくなった。

ようございます、今更帰れもせず、提灯を点火ることも出来ませんから、どうせ差しているのではないその蝙蝠傘をお出しなさい。そうそう。わたくしがこちらを持つ、貴方はそちらを握って、決して離してはいけませんよ。闇でもわたしは行けるから、恐れることはありません。

ト蔵海先生実に頼もしい。平常は一ト通りの意地がなくもない晩成先生も、ここに至って他力宗になってしまって、ただもう世界に力とするものは蝙蝠傘一本、その蝙蝠傘のこっちは自分が握っているが、むこうは真の親切者が握っているのだか狐狸が握っているのだか、妖怪変化、悪魔の類が握っているのだか、何だか彼だかサッパり分らない黒闇の中を、とにかく後生大事にそれに縋って随って歩いた。

水は段※(二の字点、1-2-22)足に触れなくなって来た。爪先上りになって来たようだ。やがて段※(二の字点、1-2-22)勾配が急になって来た。坂道にかかったことは明らかになって来た。雨の中にも滝の音は耳近く聞えた。