Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとスクリュウ

幽霊と推進機

夢野 久作

Lesen Sie 幽霊と推進機 (ゆうれいとスクリュウ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.905 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

その声を聞くと皆はモウ一度ゾッとさせられたらしい。足を踏み直す音が二三度ゾロゾロとしたと思うと、又シインとなってしまった。

そのうちに誰だかわからない二三人が、ダシヌケに私を押し除けながら板囲いの外へ出ようとした。だから私も押されながら狭い棚の間を食堂の方へ引返した。トタンにたまらない鬼気にゾクゾクと襲われかかったが、これは大暴風のアトの空腹と、疲労でヒョロヒョロになっていた神経が感じた幻覚だったかも知れない。もっともこうした状態は私ばかりではなかった。水夫長もおんなじように気が弱っていたものに違いなかったが、しかし場合が場合なので誰一人ソンナ事に気付いてはいないらしかった。

それから一時間と経たないうちに、いい加減に薄められた石炭酸だの、昇汞だの、石灰水だのがドシドシ運びおろされて、チャンコロ部屋一面にブチ撒かれた。するとどうした都合か、その猛悪な刺戟性の臭いが、アノ忘れられない屍臭と、嘔吐臭を誘いながら、食堂の中一パイにセリ上って来たので、綱にブラ下りながら受取ったパンと水が咽喉に通らなくなってしまった。

皆忌々しそうにペッペッと唾液を吐きながら、パンを噛じって水を飲んだ。