Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとスクリュウ
幽霊と推進機
夢野 久作
Lesen Sie 幽霊と推進機 (ゆうれいとスクリュウ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.905 Zeichen · 24 Bildschirme
連れて行くなら行ってみろだ。水夫長は死んでも新嘉坡まで持って行ってくれるからな。アームストロングの推進器と、貴様等の幽霊の力とドッチが強いかだ……フフン……」
二人の運転手が同時に肩をユスリ上げた。申合せたように青白いタメ息を吐いた。
船長はその場で命令を下して水夫長の身体を、下甲板に在る船長室のスグ横の行李部屋兼、化粧室に移させた。あとの消毒と水夫長の介抱は私が引受けたが、これは皆から強いられぬ先に申出たものであった。
スッカリ片付いた時は日が暮れていたが、同時に嵐の前兆もイヨイヨはっきりとなっていた。デッキを駈けまわる足音が時々きこえて来る。
小さな丸窓から、厚い硝子越しに時々、音の無い波頭が白く見えるのは、どこかに月が出ているせいであろう。
流石に無鉄砲な私も、そうした光景をジッと見ているうちい、云い知れぬ運命の転変をゾッとする程感じさせられたものであった。同時に何とも知れない恐ろしいものが、室の中に満ち満ちて来るような感じがしたので、私は思わず身ぶるいをしてポケットの五連発を押えた。それから水夫長の焼けるような額に手を当ててみた。
その瞬間に入口の扉が、ひとり手に開いて真黒な烈風がドッと吹き込んだ。